埼玉県の『プラウドタワー川口クロス』と
東京都の『晴海フラッグ』、買うならどっち?

一体誰が買っているの!? 首都圏の新築マンション価格が高すぎる!日下部 理絵(くさかべ・りえ)
住宅ジャーナリスト、マンショントレンド評論家
第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。不動産総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」代表。管理組合の相談や顧問業務、数多くの調査から既存マンションの実態に精通する。また、新築マンション情報など、マンショントレンドにも見識が深い。各種メディア、講演会・セミナーで活躍中。主な著書に、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『「負動産」マンションを「富動産」に変えるフプロ技』(小学館)、『マンション管理・修繕・建替え大全 2021』(朝日新聞出版)ほか多数。

日下部 そうですね。いろんな口コミサイトとかを見てたんですけど、いま買うなら『晴海フラッグ』VS『プラウドタワー川口クロス』(埼玉県川口市)どっちか論争が起きていて、全然場所が違うのに比較検討しているのは面白いな、と。住まいを探すときエリアで絞る方が多いですけど、もう価格というか割安感で、晴海フラッグがよかったと言うよりは家族が住める広さで手が届く価格、しかも都内。でも待てよ、同じ価格帯で川口の駅近タワマンも捨てがたいな…と、実需層は住宅ローンも含めて買える価格帯から必死にマンションを探してる(不動産ポータルサイトをググってる)と思うんですけど、どうでしょうか。牧野さんはどう思われますか?

牧野 『プラウドタワー川口クロス』がある埼玉県川口市は、住みやすい街のランキングなどで人気が非常に上昇しています。

 一方で『晴海フラッグ』は、都心への絶対的な距離は近いものの、都心へ行くまでに時間がかかってしまうという矛盾した特徴を持った物件。「5年先、10年先を見越して、この物件で儲かるかどうか」というところに論点がフォーカスされているのではないか、というのが僕の見方です。

日下部 もちろん資産価値もそうなのですが、実需で住めるところを価格で選んでいるのでは無いかと私は考えています。SUUMOなどで60平米の新築マンションを検索し、場所は違うけど買えるところでたどり着いた、と。良い中古マンションは奪い合いですし、買いたいけど買えない待機組は多いと感じますね。

牧野 現在のマンションマーケットに参加している人は、夫婦で子どもがいるファミリー世帯とは、プロフィールが異なると思っています。15年、20年前は、いわゆる一般世帯が一生懸命マンションを買い求めていたのですが、現在の都内のマンションの顧客層は、おおむね4つのカテゴリーに分類されると僕は考えています。