東京都内の新築マンション、4タイプの購入層とは?

【1】 国内外の投資家

牧野 まずは、転売業者を含めた国内外の投資家。今、タワーマンションなどの販売成績を見ると、結構まとめて業者が買っているんです。これは明らかに転売目的。業者がまとめて買って、何年か後に転売しています(転売規制がある物件もあります)。

【2】 地方の富裕層

牧野 次が、地方の富裕層です。東京にプロパティー(資産)が欲しいと思ったとき、東京中心地のマンションは相当高くなっている。今回話に上がっている『晴海フラッグ』は、東京中央区のアドレスでありながら、ある程度まとまった物件を手に入れることができる。そういう意味で地方の富裕層も、相当関心を持っていると思います。

【3】 高齢者の節税対策

牧野 都心部のタワーマンションなんかを買う多くの人が、いわゆる節税目的です。今、高齢者で富裕層の方が、ものすごく増えているんですね。そろそろ相続が心配になってきて、相続対策をやるとなると昔はアパートだったのですが、最近は高層マンションの時価と評価額の差額を利用して節税をしようと。タワマン節税といって、10年ほど前に一世を風靡し、その後、税制改革で高層階であればあるほど固定資産税率が上がるようになりました。それでも節税効果はあるので、高齢の富裕層が節税を目的に買う。都内の高層マンションでは、かなり大きなメジャーな顧客層になっています。

【4】 超パワーカップル

牧野 最後の4つ目が、いわゆる実需層。都心部の新築マンションを買える層というのは、俗に言われるパワーカップル。ただ、これまでの世帯年収1000万円程度のパワーカップルではもう買えないレベルになってきて、今は夫婦ともに上場企業に勤めるような、世帯年収で1500万円とか2000万円の超パワーカップルが実需で購入しています。

 以上、4つのカテゴリーです。『晴海フラッグ』なのか『プラウドタワー川口クロス』なのかという議論が起きる理由は、最初の1~3の目的に照らすと何となく見えてくるんです。