住むための実需が減り、値上がりを期待した
投資家が奪い合っている

牧野 とにかく家を持ちたいという実需層が世の中にいるのは確かですが、その層が非常に少なくなってきている。若い人の数がどんどん減ってきているので、当たり前なのですが。20年前、首都圏では8万戸とか9万戸の新築マンションマーケットがあったのが、今は3万戸ぐらいになっている。3分の1です。供給を絞っているという背景があるものの、売れるんだったら業者はもっと出したいという中で、やっぱり実需層というのはすごく縮んでいる。

 その一方で、この供給を奪い合っているのが、投資家、地方の富裕層、相続税対策の富裕高齢層。こういった人たちが相まって、『晴海フラッグ』などは値上がり転売の期待を胸にした方が相当入ったのではないか、というのが僕の仮説です。

日下部 なるほど。実需層においても「半住半投」ではないですが、将来的な売却や賃貸を視野に入れて選んでいる方もいそうですね。ところで、投資家の人って、やっぱり不動産なんですかね?

牧野 多いですね。もともと株式と不動産は投資の王道と言われていますし、加えて超金融緩和の中でお金がだぶついているので。また、投資をする層というのが日本に育ってきている背景もありそうですね。マンションを買う人はそこに自宅を構える人って考えがちなんだけれども、その人たちもいる一方で、もっと大きな属性になっているのが、僕が今言った彼らです。

日下部 なるほど。投資額はどれくらいですか?

牧野 彼らの水準からすると、価格が7000万円だとか8000万円だとかっていう金額の大きさではなくて、運用する時の利回り、それからエグジット(出口)。エグジットした時にトータルでいくら儲かるかを考えています。たとえば、香港、中国、台湾の投資家と話すと、「日本の不動産はやっぱり安いね」と言います。彼らはキャップレート(還元利回り)で当然見るんですけれども、香港やシンガポールと東京のキャップレートを比較すると、東京の方が高いのでアービトラージ(さや抜き)ができると。こういったものが得られると見込む投資家は、買いに入るわけです。

「東京都中央区のアドレスでこの単価だと安いじゃん。3年後、5年後にエグジットしよう。とりあえずポートフォリオの中に晴海フラッグを入れておこうか」というふうに考えていると思います。

日下部 ところで、話は戻るのですが、平均給与433万円の人たちはどうしたらいいですかね? 一体、どこに住めばいいのでしょうか。

つづく