続く3位は、平均年収875.7万円でトモニホールディングスだった。傘下に地方銀行の徳島大正銀行と香川銀行を置く持ち株会社だ。徳島大正銀行は20年1月に、旧徳島銀行と大阪府に本店を置いていた旧大正銀行が合併して誕生した。

 4位は、広島県福山市に本社を持つ半導体関連装置などを製造するメーカーのローツェ。平均年収は848.9万円だった。コロナ禍に見舞われた21年2月期も半導体やフラットパネルディスプレー(FPD)の関連装置の引き合いが強く、業績は好調。売上高508億円(前期比36.9%増)、営業利益は93億円(前期比20.3%増)と大幅な増収増益を達成し、約18%という高い売上高営業利益率を記録している。

 5位には、中国電力が平均年収791.0万円でランクイン。注目すべきは、その従業員数の多さだ。

 単体従業員数は3668人と、トップ5社の中で最も多い。2位のファーストリテイリングは山口本社で実際に働く従業員数が限定的だということを踏まえると、中国・四国地域での雇用創出力という意味では圧倒的といえるだろう。

平均年収650万円超は17社
6社は広島県の企業

 なお、今回、平均年収が650万円を超えた企業は17社あった。最後に、この17社について地域別、業種別の傾向を確認しておこう。

 本社が所在する県ごとに集計すると、最も多かったのは広島県で6社だった。4位のローツェ、5位の中国電力のほか、中国電力系の電気工事会社、中電工(8位、平均年収735.7万円)などが年収650万円超となった。

 次いで、3位のトモニホールディングスなどの香川県が4社、岡山県、高知県はそれぞれ2社だった。山口県では平均年収650万円超となったのが、2位のファーストリテイリング1社のみ。同じく愛媛県、徳島県も650万円超の企業が1社だった。鳥取県、島根県に本社を置く企業の中では、平均年収が650万円を超えた企業はなかった。

 業種別に平均年収650万円超の企業を見てみると、「化学」「建設」「銀行」の3業種が3社ずつで並んだ。続いて「小売」「電気・ガス」「機械」がそれぞれ2社。突出して高年収の企業が多い業界はなかった。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)