前回のコラムで書いたように、米国の長期金利(10年物国債の金利)は6月のアノマリー(※)どおりに年初来高値を更新し、それに連られるようにして、ドルも一段高となりました(「長期金利の劇的な低下がきっかけか?「FRBサプライズ」でドル/円は90円へ」参照)。
6月は、このまま5年連続でドル高となるのか、それとも劇的な大逆転シナリオが待っているのか? カギを握っているのは、株価ではないでしょうか?
(※編集部注:「アノマリー」は、既存の投資理論では説明しにくいマーケットの規則的な動きのこと)
過去10年間では見られない
ほど急騰した米長期金利
米国の長期金利は、1年を通じて6月に天井ないし底値をつけやすく、特に過去3年は連続して年間の天井をつけていました。その影響があったと思いますが、6月のドル/円は過去4年連続でドル高となりました(「長期金利の劇的な低下がきっかけか?「FRBサプライズ」でドル/円は90円へ」参照)
5月から続いてきた米国の長期金利上昇が広がりを見せる中で、私は今年もドル高になると考えていましたので、ここまではほぼ予想どおりの展開になっています。その上で、勝負はこの先ではないかと思っています。
6月のアノマリーどおりである米国の長期金利上昇ですが、短期的な動きとしては異例のものになってきました。
90日移動平均線からのかい離率がプラス30%前後に達しており、これは過去10年間では見られなかった結果です。
ところで、足元で見られる短期的な「異常な金利上昇」は、過去10年間の米国ではなかったものの、日本では近い例が2回ありました。1999年と2003年です。
このうち、今回の米国のケースは、金融危機が一服した後に「異常な金利上昇」が起こったということで、1999年のケースに似ていると思います。私は、この10年前のケースに注目しました。