ソニーグループが、かつて自社の副社長を務めた久夛良木健氏のベンチャー企業に出資したことが分かった。久夛良木氏は言うまでもなく、プレイステーションビジネスをゼロから開花させた立役者。ソニーに「ドル箱事業」をもたらし、世界のエンタテイメントビジネスに大きな影響を与えた人物である。久夛良木氏がソニーの経営を退いてからちょうど15年目の今年、ソニーと鬼才の間で何が始まるのか。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)
調達額は10億円
久夛良木氏のロボットAI企業
ソニーグループが出資したのは、久夛良木氏が代表取締役兼CEO(最高執行責任者)を務めるロボットAI(人工知能)のベンチャー企業、アセントロボティクス(東京都渋谷区)だ。2016年創業で、久夛良木氏は18年から社外取締役を務め、20年8月にCEOに就任した。アセントの大口株主でもある。
アセントは21年12月末までに、シリーズB投資ラウンドで10億円の資金調達を完了。この資金調達の引き受け手になったのがソニーグループとSBIグループである。SBIは18年のシリーズAでも資金調達に応じている。一方、ソニーがアセントに出資するのはこれが初めてだ。