情報にあふれた時代で、「正しい」をキーワードにする

 新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界中の人々の健康意識、医療機関への向き合い方を大きく変えた。かかりつけ病院の待合室でのウイルス感染を恐れて、通院を減らした人、マスクをはじめ、必要な医薬品をネットショップで購入する人も増えたようだ。

吉田 新型コロナによって、生活の当たり前が当たり前ではなくなりました。出社通勤することが日常の一部ではなくなった方もいて、薬への意識や向き合い方も変わったように思います。たとえば、私たちの商品である「パイロンPL顆粒Pro」は“医療用と同量配合(*4)”で、これは、「風邪の症状で(病院で)受診するときに新型コロナに感染するリスクが怖い」といったユーザー調査結果がある中で、発売に至ったものです。医療用と同じ有効成分を同量配合された薬を自宅近くのドラッグストアやネットショップで買い、服用することができるわけです。弊社のビジネスコンセプトである『すべての人に、やさしく、正しくセルフケアを』という言葉のとおり、私たち医薬品メーカーは、そうした消費者の行動変容に柔軟に対応していくことが重要だと思っています。

*4 パイロン PL 顆粒 Pro:サリチルアミド、アセトアミノフェン、無水カフェイン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩の配合量が医療用と同量

 2022年も“不透明な状況”が続くが、吉田さんは、やがて来る“アフターコロナの時代”をどう見据えているのだろう。

吉田 新型コロナ禍が収束したからといって、個人個人の健康意識や医薬品への向き合い方が新型コロナ禍前と同じ状態には戻らないでしょう。また、新型コロナ感染症の有無にかかわらず、インターネットやSNSの普及で医療・医薬品情報が世の中にはあふれています。そうした状況下でのキーワードは「正しい」だと思います。私たち医薬品メーカーが正しい情報を発信していくことが大切で、正しい情報とともに消費者の方に寄り添える商品を開発し、世の中に送り出していけるよう努力し続けます。