壁をなくす(バリアフリーにする)ことがCBF-PJの目的

 OTC薬品に関する調査(*3)によれば、「用法・用量がどこに書いているのかわかりにくい」と答えた一般消費者が33.4%という高い数字で、視覚障がい者では63.9%にも及ぶ。

*3 2018年8月 塩野義製薬・凸版印刷・ミライロ調べ(インターネット調査)

吉田 「薬」は下から読むと「リスク」と表されるように、服用方法を間違えると死に至るケースもありますので、たとえば、目の不自由な方も医薬品情報がしっかり受け取れるように、また、日本にいて日本語がわからない外国の方にも医薬品を確実に届けられるようにしたいという想いが強くあります。障がいのある患者さんが、服薬指導を受けるときのコミュニケーションバリアをなくすことが大切で、まずは、コミュニケーションバリアの存在をみんなに正しく知ってもらうこと。そして、障がいの有無にかかわらず、誰もが薬についての正確な情報を得て、間違いがないように使用していただくことが当活動の目指すところです。

 CBF-PJの活動は多岐にわたっている。医療関係者を対象とした啓発セミナーの開催やイラストを多用した“誰にでも理解できる”服薬説明ポスターの配布、「聴こえにくい/聴こえないので、はっきりお話しください。」と書かれた、聴覚障がいのある方や高齢者に役立つ「しおりカード」の作成と公開(ホームページからダウンロード可)などなど……。

吉田 CBF-PJには、設立時から障がいのある社員がメンバーとして参画していて、そうした方の意見がさまざまな活動に反映されています。また、社内に向けてもメールマガジン登録社員が約1100人おり、積極的に情報発信しています。そのため、グループ内のほとんどの社員がCBF-PJの存在を知っています。「障がい特性を説明する自己紹介BOOK」の配布といった社内啓発ツールの制作も行っており、プロジェクトで進めている内容を明確に伝えています。CBF-PJの動きを知って、「自分にも何かやれることがないかな……」という姿勢も社員の間で生じてくるようです。