家のサブスク、全国渡り鳥倶楽部とは

編集部 複数の家を活用するという新しい住まい方の話題も出たところで、牧野さんが代表を務めておられる全国渡り鳥生活倶楽部株式会社の住宅サブスクリプションサービスについても、お話をきかせていただけますか。

牧野 全国渡り鳥生活倶楽部というのは、全国の優良な空家を我々で借り上げ、会員の方にお貸しするサービスです。これを全国津々浦々で家を借り始めていて、それらを渡り鳥ハウスと呼んでいるのですが、会員は好きな渡り鳥ハウスを一軒丸ごと家族や友人らと自由に使うことができ、ここでの生活をエンジョイしています。今、働き方が随分変わってきて、月に1~2回出社するだけとか、ほぼリモートワークだけの人とか、そういったJOB型の仕事を志向する方が会員になってくださっていますね。

編集部 素敵ですね。まさに渡り鳥のように全国の戸建を自由に使えるというのは。ところで、会員制というところで料金体系はどうなっていますか?

牧野 エントリーコースでは会費は月額5万円で3ヵ月の期間、1週間単位で全国の渡り鳥ハウスを自由に利用できます。上級者向けには月額5万円、1年契約で最大3ヵ月利用できるコース、月額15万円で最大数ヵ月滞在できるコースなどがあります。

 また、単に家を貸し借りするだけではなく、地域プラットフォームを構築し、地元の方々との交流の場もつくっています。たとえば、山口県下関市にある関門海峡が一望できる渡り鳥ハウスを利用されたある企業に勤める女性社員さんなんですけど、彼女はなんと8ヵ月もいましたね。地元の若い方が、休耕地を再開拓してレモンの苗木を植えて海峡レモンをつくるというプロジェクトをNPO法人でやっていて、ここに彼女も参画しました。彼女が持っている経理の知識や知恵を入れて、レモンファームがどんどん大きくなってきています。企業としての地元貢献やSR(社会的責任)の一環ですよね。

 渡り鳥生活倶楽部は2020年7月にスタートした新しいサービスで、「地域おこしも一緒にやっちゃおうぜ」といった地方創生や地場産業の復興も担っています。

つづく