リモートワークで成果を出す「書き方」3原則、伝道師の企業役員が解説!Photo:PIXTA

コロナ下で多くの企業がリモートワークを活用するようになった。リモートワークでは、チャットツールなどを使った文章でのコミュニケーションが主流だ。仕事を円滑に進める上で「書く力」がますます重要になってきている。『最強の文章術』の#14では、リモートワーク下で「書いて伝える」上で起こりがちな失敗とともに、押さえておきたい三つのルールを解説する。(キャスター取締役 石倉秀明)

ビジネスパーソンが
「書く力」を高めるメリットとは?

 新型コロナウイルスの感染拡大が起きた2020年以降に起こった、ビジネスパーソンにとって大きな変化の一つがリモートワークの普及だろう。

 リモートワークをどこまで導入するかは企業ごとに対応が分かれているが、取引先との打ち合わせや商談がウエブ会議になったり、社内で積極的にチャットツールを活用し始めたりした企業は多いのではないだろうか。一つの場所に集まることなく、直接会わずに仕事を進めることはニューノーマルな働き方となっているし、今後も定着していく可能性は高いと思われる。

 私が取締役を務めるキャスターでは22カ国に1000人以上のメンバーがおり、ほぼ全員がフルリモートワークで働いている。弊社は2014年の創業からこうした働き方を実践し、事業を拡大してきた。

 こうした経緯もあってか、コロナ禍で多くの会社がリモートワークの導入を進める中で、質問や相談を受けることが増えた。その相談の9割近くが、「コミュニケーション」についてである。

「コミュニケーション量が減ってしまった」
「部下にいつ話しかけていいか分からなくなった」
「文面からは相手の感情が読めず、必要以上に気を使ってしまう」
「一度で伝えようとして文章が長くなってしまう」

 といった悩みだ。

 特に多くの人が、「テキストコミュニケーション」に課題を感じていた。

 フルリモートワークを実践している弊社では、テキストでのコミュニケーションが中心となっている。もちろん会議をすることはあるが、業務の多くをチャット上でのテキストコミュニケーションをベースに進めている。メンバー1人が1日にチャットに投稿する数は、平均で100を優に超える。

 テキストベースで事業を運営することには、大きなメリットがいくつもある。

 そして書く力があるかどうかで、生産性も変わり、意思決定の質も変わり、優秀な人材の誘引力も変わる。書ける人と書けない人、どちらの方がより市場価値が高いかは一目瞭然だ。

 書く力は、今後ビジネスパーソンの市場価値を大きく左右する必須のスキルなのだ。