VWらしく走りの完成度もピカイチ
長くつきあえるパートナー

 ターボ付きの2L4気筒ディーゼル(190ps/400Nm)は従来からのキャリーオーバー。組み合わせるDCTは、6速から7速仕様へとアップデートが図られた。

 ツボにはまったシーンで想像以上の快速ぶりを披露するのは、7速化によるギア比の変更や細分化の効果だろう。決定的なアドバンテージというわけではないが、7速化は実用燃費の向上などにも貢献することになりそうだ。WLTCモード燃費は15km/L。ちなみに微低速シーンでの滑らかさは従来同様に素晴らしい。

 実際にドライブすると、以前の渋滞時追従支援デバイス、トラフィックアシストが、同一車線内の全車速運転支援デバイス、トラベルアシストに発展したアドバンテージは大きいと感じた。何よりも、異例なほど簡単な操作性が、使い勝手の面で好印象だった。

 見た目に派手なリファインではないが、その商品性は確実に向上――それが、最新パサート各モデルに共通する印象。オールトラックも例外ではない。中でも4WDならではのオールラウンド性とワゴンボディのユーティリティ、そして快適装備が充実したTDI4モーション・アドバンスの完成度は高い。ユーザーの多様なライフスタイルをしっかりサポートしてくれる、良質な道具の代表といえる。もちろんVWらしく走りの完成度もピカイチ。長くつきあえるパートナーである。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦)

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