就労のロールモデルとなる、「ACEアワード」の受賞者

 就労における、障がい者への啓蒙活動や社会への提言を行うACEは、「企業の成長競争力強化に資する障がい者雇用」という観点から、その好事例の募集と発掘を続けている。そして、年に1度のACEフォーラムでは、「ACEアワード」と称して、活躍が顕著なロールモデル(障がい当事者)を発表し、表彰している。

栗原 ACEアワードは、会員企業各社で顕著な活躍を行った障がいのある社員を表彰する「個人部門」と障がいのある社員が活躍できる職場や施策を構築する「環境づくり部門」があります。

 一昨年の2020年は、コロナ禍ですべての受賞者もリモート参加となり、祝福する同僚の皆さんと一緒に登場されたものの、やはり、直接に表彰状を差しあげられない寂しさがありました。2021年の今回は、代表理事から直接に表彰状を授与することができ、また、来場者の拍手で祝うこともできました。こうした形が取れたことで、受賞者のモチベーションアップになりましたし、さらに、フォーラム終了後、多くの方々と交流を持つことができ、受賞者本人から直接に話を聞いたり、各社の取り組みの情報交換を行うことができました。次回の2022年は(も)応募しようと思われた方もたいへん多かったのでは?と思います。多くの方に周知されることで、これから社会に出て活躍が期待される障がいのある学生にとっても、ACEアワード受賞者が就労のロールモデルとなることも期待しています。

 一方で、「個人部門」の受賞者が身体障がいのある社員に偏っているという声もいただきました。精神・発達障がいのある方々が活躍する事例の応募の呼びかけや彼ら彼女らが能力を生かせる環境づくりの施策に今後はより注力していきたいと考えています。

ACEフォーラム2021