もっとも、「人生100年時代」をうたう金融商品の広告はだいたいが警戒を要するものだとしても(近年は、金融機関がマーケティングで好む怪しい言葉にもなっている)、多くの人にとって人生が長いのは確かだ。一つの会社に一生を託すには、いささか長すぎる。会社にとっても長いし、本人にとっても長すぎる。

 政府は、企業に社員を65歳まで雇用することを求めていて、これを70歳まで延長することが望ましいとしている。

 しかし、現状の定年延長型の雇用プランは、会社と社員本人の双方にとってあまり楽しくないことが多いように見える。

 典型的には、50歳なり55歳なりで「役職定年」となって収入が下がり、60歳で「定年」となる。希望すれば65歳までかなり低い収入と責任のない役職で「再雇用」されるパターンになるのだが、いかにも先細りで「会社に置いてもらっている」感じの会社最後の10年間が寂しい。しかも、その後の人生が長いので、張り合いの上でも経済的な点でも、会社任せの人生は心もとない。

 筆者は、職業人生のプランニングを「ファースト・キャリア」と「セカンド・キャリア」の2ステップで考えることをお勧めしたい。たぶん、現在及び近い将来の日本人サラリーマンには、2ステップのキャリア・プランニングが合っていると思う。

2ステップのキャリア・プランニング
3パターンを図解

 会社員、公務員などのサラリーマンを前提とするが、2ステップのキャリア・プランニングは三つのパターンに分かれる。人それぞれの適性の違いや、現在勤めている会社の違い、目指すところの違いなどによって、戦略を変える方がいい。