もし勤務日を減らすこととともに給料を下げることができれば、会社にとってもメリットがある。もちろん、必ずしも給料を下げる必要はなく、複業で社員本人の生産性が上がる場合もあるので、会社の側でもメリットが発生する場合は少なくないはずだ。

 例えば、シンクタンクのような業種なら、研究員が副業的な対外活動で有名になることは、会社の知名度や評判にもプラスになる場合がある。別の業種でも同様のことがあるのではないだろうか。

筆者がキャリア・プランニングで
参考にした2人の人物

 実は、筆者のキャリア・プランニングには参考にしたモデルが2人いる。

 一人は、現在ある大学の教授であるHさんだ。彼は30代の頃に金融系の会社に勤めている際に「給料を6掛けにする代わりに勤務日を週3日にする」という交渉を成立させた。そして大学院に通い学位を得て、大学教授に転身した。

 なるほど、そういう条件交渉があり得るのかと大いに感心したことを覚えている。考えてみると、両者にメリットがあり得るなら、前例がなくても交渉はやってみる価値がある。

 もう一人は、マルチ・ジョブの草分け的な先輩で、主に外資系の金融機関をわたり歩いたNさんだ。彼は、「人脈の達人」とも呼ぶべき人で、丁寧にメンテナンスされた幅広い人脈を武器に、次々と請われて職場を変えつつ(60代後半になって外資系金融に転職したこともある)、自分の会社のビジネスを発展させていた。

 何らかの「強み」を持っていたら、年齢を重ねても職を得ることができることが分かったし、「強み」は複数の仕事で生かすことができる。

 筆者にはN氏の人脈のような突出した強みはないが、金融資産の運用に長年関わってきたことが役に立った。

「ハイブリッド型」でも、行動を開始する目処は「45歳」くらいが適当な場合が多いのではないだろうか。

 3パターンの中では、「組織人型」を選択する人が多いのだろう。しかし今後、働き方の多様性が広がって、「ハイブリッド型」が増えるのではないかと期待している。

 いずれのタイプを選択するとしても、合い言葉は、「45歳を、機嫌良く通過しよう!」だ。