普通選挙を行い、「大国らしさ」を!

 中国は、かつて日本の自民党を徹底的に研究し、将来の「民主化」の準備をしていた(第213回・p5)。習近平が国家主席になってから、それはなくなったが、再び民主化を進めるべきだと考える。

中国人留学生が「日本の民主主義を学びたい」、共産党支持でも複雑な母国への思い本連載の著者、上久保誠人氏の単著本が発売されています。『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房)

 例えば、中国が台湾を統合したければ、民主化して普通選挙を行えばいいのだ。そこに台湾の国民党や民進党が参加すれば、事実上の統一だ。中国共産党が考えるべきことは、選挙に常に勝つことだけで、それは日本の自民党に学べばいい。

 台湾側にとっても、選挙に参加すれば「中国本土への復帰」となる。普通選挙が実施されれば、自由民主主義国となり国名は「中華民国」だ。台湾側のメンツも立つ。台湾との統一に、武器はいらないのである(第261回・p6)。

 中国が、自由民主主義や基本的人権を尊重し、すべての人の言語、歴史、文化、宗教、思想信条を「寛容」に受け入れる大国らしさを身に付ければ、自然と世界から尊敬されるようになるということなのである。