バブルの4条件とは

 筆者が考えるバブルの4条件は、以下の4つだ。

1 今回は事情が違う
2 景気が好調でも金融が緩和されている
3 投資に興味がなかった大勢の人々が株式市場に参入する
4 外国との温度差がある

 条件の第一は、「今回は事情が違う」である。株価などが高すぎるとの懸念に対し、今回は事情が違うので従来の物差しで測ってはいけない、という反論が登場すると、バブルのにおいを感じる。

 平成バブルのときには、「日本経済は世界一になったのだから、株価や地価が高いのは当然だ」と言われていたし、米国のITバブルのときは「ITは夢の技術だからIT企業の株価が高いのは当然だ」と言われていた。

 今次局面では、特段の特殊性は話題になっていない。「金融緩和が続きそうだ」というだけなので、第一の条件は当てはまらない。

 条件の第二は、資産価格が高騰して景気が好調でも、インフレ率が上がらないために金融が緩和されたままだ、ということだ。

 平成バブルのときには、景気の過熱にもかかわらず、大幅な円高で物価が安定していたので、金融は緩和されたままであった。ITバブルのときも、インターネットなどで企業のコストが下がり、物価が安定していたので金融は緩和されたままであった。

 今回も金融は緩和されたままであるが、この条件は今次局面の判定には使えなさそうだ。景気が好調とはいえない今次局面では、これは判定の材料にはできない。