2012年12月の住宅ローンにおける10年固定金利は、ついに1.3%と史上最低の水準に!ローン金利がこんなに下がっている今は、住宅ローン見直しの好機。見直し方次第では、老後に不安を残さないローンに変身させて、利息負担を減らして「安心」と「おトク」の両方を手に入れることができます。「銀行も不動産会社も教えてくれない、正しい住宅ローンの選び方」、最終回は住宅ローンの見直し法をご紹介します。

ローン見直しで「安心」と「おトク」を手に入れるチャンス到来!

深田晶恵(ふかた あきえ)  ファ イナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年、北海道生まれ。外資系電機メーカーを退職後、96年にFPに転身。日本経 済新聞、日経WOMAN、日経ビジネスAssocie等でマネーコラムを連載中。国土交通省「住宅ローン商品改善ワーキングチーム」および「消費者保護の ための住宅ローンに係る情報提供検討会」、住宅金融普及協会「住宅ローンアドバイザー運営委員会」委員を歴任。こうした委員会で金融機関と不動産事業者に 住宅ローンのリスクの説明を義務づけるガイドライン作りを提唱するのが目下のライフワーク。主な著書に『30代で知っておきたい「お金」の習慣』『「投資 で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』他多数。
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生活設計塾クルー http://www.fp-clue.com/

 住宅ローン金利が一段と低下している今は、ローンの見直しのビッグチャンスが到来しているといえます。

 すでに住宅ローンを組んでいる場合、65〜70歳まで返済が続く予定になっている方が多いのではないかと思います。借りる時は、「60歳で退職金が出るから、それで完済すればいいだろう」と考える方が少なくありません。

 しかし「60歳で完済するつもり」の人も、「60歳時点でローン残高がいくらになりそうか」は把握していないもの。私はこれまで、60歳に近づいてから「思ったよりローン残高が減っていなかった」と慌てる方をたくさん見てきました。

 実際、60歳時点で住宅ローンが1000万〜1500万円程度も残るケースは珍しくありません。退職金の大半を住宅ローンの完済にあてることになれば、老後の生活への影響は甚大です。

老後を心配するのなら、60歳までに
住宅ローンの完済を目標に!

 昨今は老後不安を口にする方が増えていますが、その一方で住宅ローンが退職金をアテにした返済プランになっているとすれば本末転倒。

 特に公的年金が65歳まで受け取れない世代は、60〜65歳の生活資金の手当ても考えなくてはならないのですから、住宅ローンはできる限り60歳までに完済して退職金を手元に残すことが重要なのです。

 「そういえば70歳完済のプランになっていたな……」などと不安になった方も、今すぐ住宅ローンの見直しに着手すれば間に合います。低金利を味方につけ、ちょっとしたコツを活用し、老後に負担を残さないローンに変身させましょう。「安心」が手に入るのはもちろん、今、見直しを実行すれば、「利息」がぐっと減るのでおトクです。