金利が大きく下がっている今は、まず「借り換え」を検討

 3つのローン見直し法のうち、最初に検討したいのは「住宅ローンの借り換え」です。せっかく金利が大きく下がってビッグチャンスが到来しているのですから、今を逃す手はありません。2012年12月の10年固定金利は、1.3%と史上最低の水準となりました(メガバンクの例)。金利が低いローンに借り換えすることによって60歳で完済できるローンになるなら、繰り上げ返済をする必要がない場合もあります。

 借り換えを検討すべきなのは、まず「固定金利選択型または変動金利型で借りていて、2012年12月時点で2%以上の金利で借りている人」です。

 2000年に入ってから住宅ローンを組んだ人の場合、当初の一定期間だけ固定金利型のタイプを借りているケースが大半です。このタイプは、最初の固定期間が終了すると「金利割引」が縮小する仕組みになっています。現在は固定金利タイプで基準金利が3.5%以上、変動金利で2.475%ですから、そこから一般的な「縮小後の金利割引分」である0.4%を引くと、適用金利は約2.1〜3.1%以上で借りている人も少なくないのが現状です。

 一方、現在の新規ローンの適用金利は、全期間固定型が2%前半で、10年固定金利は1.5%に満たない水準です。もし2%以上で借りているなら、借り換えをすれば適用金利が下がる分だけおトクです。

 また、「1%未満の変動金利型で借りている人」は、固定金利型への借り換えを検討したほうがいいと思います。

 変動金利型から固定金利型に借り換えをすると、適用金利が上がるので、毎月返済額もアップします。

「なぜ金利の高い固定への借り換えをオススメするのか」と思われるかもしれませんが、本連載の第3回でご説明したとおり、「金利が上がるギリギリまで変動金利を利用して、その後タイミングを見ながら固定金利にする」プランは金利の動き方の仕組み上、現実的ではありません。

 現在の金利水準は、変動金利型、固定金利型ともに史上最低ですから、今後長い返済期間には金利が上がることが予想されます。2000万円以上を変動金利で借りているなら、今のように固定金利が低水準のうちに借り換えをして「安心」を得ましょう。

 金利上昇リスクと金利水準のバランスを考えると、オススメなのは「10年固定金利型」への借り換えです。10年固定金利型は銀行間の競争が激しいため、金利の割引幅が大きく、よりおトクでもあります。高い金利で借りている人が10年固定に借り換えるなら、返済期間を短くすると、60歳完済も可能になりますし、利息軽減効果もぐんと高まります。金利が低くなるから返済額を下げようと考えるのは、NGです。あとでラクをするためには、ここは踏ん張りどころ。返済額を今と同様にして下げないことを死守してください。

 1%未満の変動金利型で借りた人は、今なら変動金利と10年固定の金利差が0.5%程度と小さいので、借り換え後の返済額アップも少額で済みます。将来の安心を得たいなら、多少返済額がアップしたとしても借り換えをすることを検討してみるといいでしょう。