糖質制限ダイエットは難しい

 一人一人異なるパターンがある一方で、多くの人が挫折しやすいダイエットもあります。それは「糖質制限」や「炭水化物抜き」という言葉に代表される、これまでの私たちの食生活において大きなエネルギー補給源であったはずの「糖質」をカットするタイプのもの。できた大きな穴を上手に埋められる人もいるけれど、その調整が難しいのは言わずもがな。

 たとえば、炭水化物抜きダイエットは、自炊するゆとりがある、外食の際に選択肢が多いという時には比較的続けやすいのですが、そうでないと「お昼は毎日サラダだけ」「プロテインバー頼み」なんていうふうに、食生活そのものが寂しくなってしまい、続かないという声も多いのです。

 そこで今回は、炭水化物を極端に減らすのではなく、同じ炭水化物でも種類、食べ方、食べるタイミングを見直すことでダイエット中も上手に付き合う方法についてお話ししたいと思います。生活パターンやご自身の傾向と合わせて、炭水化物の取り方をアップデートしてみましょう。

在宅勤務の人におすすめなのは“おにぎり”

 忙しいビジネスパーソンにとって、特に、「食事を準備する時間が(もったい)ない」「食事をするタイミングを逸してしまった」となりがちな在宅勤務の日には、常温・冷蔵・冷凍と作り置きできるおにぎりはダイエット中の強力な味方になりえます。

 おにぎりにすると、炊きたてホカホカのやわらかいごはんと違い、しっかりとよくかんで食べることができるので、「食べた」実感が増して空腹感も感じにくいもの。また、お米に含まれる難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)の働きで、腸内環境を整え、お通じもよくしてくれます。

「家族が白米好きだから、自分のためだけに雑穀入りにできない」という場合でも始めやすいのが、おにぎり食でもあります。もちろん、白米にもち麦など雑穀入りにすると、ダイエット中に不足しがちなビタミンミネラルもとれてよいですし、時間があるときは、サケと青菜などで混ぜご飯を作ってそれをおにぎりにしておけば、タンパク質も野菜も取れて◎。わざわざ具材を用意しなくても、前夜のおかずの残りを入れて握れば、それだけバリエーションも増えて飽きません。

 朝食と昼食にそれぞれ1個分くらいのおにぎりを食べるのは「食べすぎ」ではありません。むしろ、きちんと主食を食べることでダイエットの天敵となる「万年空腹感」から抜け出し、ドカ食いを防ぎ、リバウンドを避けることができるのです。

 ただ、「あればあるだけ食べてしまう」「目の前にあると食べたくなってしまう」という方は取り扱い注意。おなかがすいていないタイミングでも「つい」食べてしまうことがないように、1日分、と決めた量以外は「冷凍」するなどして、食べるまでに一手間かかるようにしましょう。