ダイエットには「コンビニおにぎり」!?<br />食べ方のひと工夫で痩せる効果が!

白いお米は糖質の塊である。ご飯が大好きなダイエッターにとって悩ましい真実だが、産業医として年間5万人の健康指導をする総合内科専門医の益江毅医師は、著書『やせたい人はカロリー制限をやめなさい』の中で「ご飯を半分に減らさなくても、減らしたのと同様の効果を得られる食事法がある」と語る。科学的知見に基づいた、「ダイエットに適したご飯の食べ方」をご紹介しよう。(文・監修 /総合内科医 益江 毅)

ご飯1日3杯で糖質量はオーバー

 ご飯茶碗1杯の糖質量を見てあらためて気づくのは、「ご飯を茶碗に1日3杯分食べるだけで、約170グラムの糖質をとることになってしまう」という現実です。ダイエットの目安となる「1日糖質量130グラム以内」を軽くオーバーしてしまいます。

 サッポロビールが2016年に20〜60代の200人を対象に「食事での糖質摂取量に関する調査」を発表しましたが、年代別の平均糖質摂取量を見ると、20代(321.16グラム)、30代(323.97グラム)、50代(303.34グラム)という結果になりました。

 ただし、白いお米が何よりも大好き、という人に今日からお茶碗半分のご飯で我慢しましょうというのは少々酷な話なので、まずは食後の血糖値を上昇させない食べ方の中で、自分にできそうな方法から始めてみてはいかがでしょうか。もちろん、主食を減らせる人は減らすのもよし、タンパク質や脂質との組み合わせで「卵かけご飯やチャーハンにする」のもいい方法です。

 さらに、野菜を先に食べる「べジタブルファースト」や、糖質を最後に食べる「カーボラスト」も、食後の血糖値の上昇を抑えるのに効果的な方法です。

主食を冷まして食べると痩せるのはなぜ?

 もう一つ、ダイエット効果を高めるご飯の食べ方をご紹介しましょう。それは、「ご飯を冷まして食べる」ことです。

 ご飯、パンや麺などの主食にはでんぷんが多く含まれていますが、このでんぷんは、熱い状態よりも冷めた状態の方が、ダイエット効果があるのです。

 カギとなるのは「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」。レジスタントスターチとは、消化されない(レジスタント)でんぷん(スターチ)のことです。レジスタントスターチは、「糖質なのに食物繊維と同じように、消化されずに大腸にまで届く」という特徴があります。この「消化されない」特徴こそが、ダイエットにとても効果的です。

 レジスタントスターチが、食事のときに糖質と合わさることで、糖質の消化スピードを穏やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えてくれるのです。実際に、2型糖尿病と肥満を合併している人を対象にしたレジスタントスターチを摂取する研究では、レジスタントスターチを摂取しない対象群よりも空腹時血糖値、空腹時インスリンの値が低くなった、と報告もされています。