下記の米国のデータは、成人の2人に1人は医師の診察を必要とするほどの筋骨格系の問題が報告され、オフィスワーカーの3人に1人は腰痛を経験している、というものです。

●5500万人の従業員が、くりかえし起こる疲労を報告。
●4500万人が、コンピュータの使用による腰痛症がある。
●4500万人の労働者が「緊張型頭痛」や「手根管症候群」に悩まされている。

 コンピュータで仕事をする北米人の30%以上が、年に一度は反復性緊張外傷(RSI。同じ筋肉をくりかえし使うことによる、痛みをともなう外傷)を発症します。日本と中東でも、同様の割合でRSIが発生していると報告されています。世界的に見ても、コンピュータ作業への従事によるなんらかの障害は、増加の一途をたどっているのです。

 こうした症状は、長時間コンピュータの前で過ごす人なら、誰にでも起こる可能性があります。高校生を対象にした大規模な調査では、85%がコンピュータ作業のあと、首・肩・背中・手首の緊張や痛みを経験しています。

 さらに、ソーシャルメディアを長時間見るほど、またドラマシリーズを一気に見ることが多いほど、うつ病のリスクが高くなるという結果が出ています。

身体の状態を、どのようにして知るのか

 過去20年間、世界中の研究者チームが、職場でのストレスやコンピュータによる筋外傷を評価し、その予防法を研究しました。

 また、我々はホリスティックヘルスと人間工学の分野の研究者として、人間がテクノロジーとどうかかわっているかを観察してきました。

 我々の仕事の特徴は、従業員へのインタビューや行動観察だけでなく、身体の生理反応も測定し、従業員のストレスを評価することです。