習主席は祝賀メッセージを送るが
中国国民は冷ややかな反応

 習近平国家主席は尹錫悦氏に対し祝電を送った。そこでは「中韓関係は近い隣国で重要な協力パートナー」であり「今年は修好30周年になる年だ。修好の初心を固く守り、友好協力を深め、戦略的協力パートナー関係の安定的かつ長期的な発展を促進しよう」と呼びかけた。

 尹錫悦氏はケイ海明・駐韓中国大使に、「わが国の最大貿易国は中国で、中国の3大貿易国はわが国だ」「韓中関係がさらに発展することを確信する」と応じた。

 中国は1992年の中韓国交正常化以来、大統領選挙の翌日に国家主席名義の祝電を送ってきたのでその慣例に沿ったものである。しかし、これは単なる外交辞令だろう。

 中央日報は11日、「中国外交部『尹錫悦おめでとう』…中国ネットユーザーは『反中大統領』にクリック5億回」というタイトルの記事を報じた。

 その内容は、習近平国家主席は駐韓ケイ大使を通じて尹錫悦氏に祝電を送ったが、中国国民の反応は冷たいものであるというものである。

 中国の外交専門家は、尹錫悦氏が大統領選挙中、中国が強く反対してきたTHAAD追加配備やクアッド参加に言及したことに懸念を抱いており、「今後中韓関係は比較的大きな挑戦を迎えることになるだろう」と分析している。

 中国のシンクタンクでは「尹錫悦氏がクアッド加入を決めれば、中韓関係はTHAAD問題以上に悪化するだろう」と予測した。中国では今秋中国共産党第20回党大会を通じて新たな指導部構成を控えており、「(対中けん制は)これに対する妨害と破壊の試みとして受け止められる可能性もある」とのコメントもある。

 さらにネットユーザーは10日、「反中親米」韓国大統領が登場したとして大きな関心を示した。中国最大のSNSである微博では検索語「尹錫悦韓国大統領当選」が一日でクリック5億回を記録した。最も多い「いいね」があったコメントは「次期刑務所候補」、次いで「反中だって?いいことない」「邪悪だ。親米親日・反中」「文在寅危機、韓国にいる中国人の危機」「あれが民意ならば限韓令をもっと高めるべきでは」の順だったという。

 愛国主義傾向の強いインターネットメディアには「(尹錫悦について)『韓国のトランプ』という評がある」とのコメントや、「劇的な外交政策変化につながる」「反中見解にまみれた尹氏」というコメントもあった。