尹錫悦政権は
中国にとって手ごわい相手

 中国政府は、尹錫悦氏をあえて批判していないが、専門家と同様の懸念を持っているだろうし、ネットユーザーたちが抱いているような不快感も持っているであろう。

 これまで、中国政府は文在寅大統領を手なずけ、うまく操ってきたが、尹錫悦氏ではそうはいかないと受け止めていることだろう。中国政府は、文在寅大統領を操りながらも北朝鮮政策で文在寅政権に協力してきた様子はない。自分たちに都合のいいときのみ友好・協力を語り、韓国には何の手助けもしてこなかったのである。

 それが今後思う通りにいかないからといって、韓国を批判するには当たらない。韓国の協力を求めたいならば、中国も北朝鮮の核・ミサイル開発を抑えるのに協力することが不可欠である。

 韓国は、対中政策の変更が中国の過激な反発を受けないように、方法やタイミングをうまく調整しながらやっていくことが重要である。

 また、対中政策の見直しに当たっては、韓国国民の強い支持をベースにすることも重要である。

 幸い、韓国国民は中国に対して反発を強めており、中国の実相を認識しつつある。国民に対し、広く政策を理解してもらうことが重要である。

韓国に対して中国以上に
強く反発する北朝鮮

 一方、中国以上に、強い反発を見せるのが北朝鮮であろう。

 北朝鮮の対外用週刊誌の統一新報は12日、尹錫悦氏を擁する「国民の力」が選挙期間中に「反共和国対決の凶心にあふれた『対北朝鮮政策』を表した」「無分別な妄動が招くものは南北間の厳重な軍事的衝突と戦争しかない」と強く威嚇した。