能力の高さではなく
「親切心」と「人柄」で広がる善意の連鎖

 ホームページにも掲載されているが、当社の新卒社員の採用条件のトップは「親切心」である。

 能力の高さではなく親切心なのだ。

 加盟店の採用基準も「人柄」にした。

 業績を上げる人ではない。

 親切心を持つ社員と人柄のよい加盟店は最強の組合せだ。

 本部の親切心は加盟店に伝わる。

 加盟店の人柄のよさはお客様に好感を与える。

 人柄のよい加盟店の引退時には、できるだけ子どもに経営を継承してもらう。

 海外の工場からお客様までの「善意の連鎖」こそが、本部と加盟店の100年の競争優位の基盤だと思っている。

最後に、もう1つ、
ワークマンが社員に「頑張れ」とは言えない理由

 最後にもう1つだけ、ワークマンが社員に「頑張れ」とは言えない理由がある。

 ワークマンは社員の自発性を重視する一方、店舗運営では小売業で最も標準化とマニュアル化が進んでいる企業である。

 店舗は100坪の標準店舗のみ、品揃えは全国で97%が共通、販売価格は変えない

 小売未経験の加盟店がマニュアルどおりに運営すると、誰でも高収入が得られる仕組みができている。

 赤字店舗はない。

 定期借地契約の満了以外での店舗の撤退はこの8年でゼロ

 よい仕組みがあるので、頑張らなくていいのだ。

 それに、マニュアルには「頑張れ」とは絶対に書けない。

 マニュアルは作業手順を細かく分解して、普通の人が頑張らずにできるようにしている。

 加盟店経営の満足度が高い証拠は、加盟店契約の再契約率が99%もあることだ。

 農業やボランティアをするため、再契約をしない加盟店も稀にいる。

 辞める人はワークマンに加盟して十分な資金ができたので、やりたいことができるのだ。

 それは嬉しいことだ。