米山隆一衆議院議員が「新党設立」

 ネタ投稿に新聞記者から取材が入ってしまったのは、米山隆一衆議院議員。4月1日に「この度自ら代表となって『民主福祉党』を立ち上げる事といたしました」とツイートし、「生涯安心の福祉」「自由主義国同盟による安全保障」など四つの公約を掲げた。

 同日の14時30分には「恐縮ながらこちらはエイプリルフールの冗談です(元TWは削除しました)」とネタであることを明かしたが、本人も「平素実現したいと思っている政策」という通り、党名や四つの公約が真に迫る部分があったからか、混乱した人が少なくなかったようだ。

 米山議員はその後、この投稿を本気にして取材に来た記者に「エイプリルフールですよ」と告げたこともツイート。新潟日報で「米山氏『「新党設立』と投稿 エープリルフールで撤回」と取り上げられている。

センスに自信がなければやらないに限る

 言い尽くされていることではあるが、万人を楽しませる上手なうそをつくのは難しい。まだ誰も思いついていないような斬新なうそであればなおさらだ。

 やるかやらないかを自分で決められる個人であればいいが、毎年何らかのネタを仕込まなければいけない企業アカウントの苦労を思うと気の毒にもなる。面白くて斬新で、さらに炎上させてはいけないのだから、かなりのセンスの持ち主でなければ乗り切れなさそうだ。

 その点でいうと、エープリルフールでなくても「虚構」を報じ続けるウェブサイト「虚構新聞」のバランス感覚が稀有(けう)であることに改めて気付かされる。

 世の中を読むセンスがなければ、あえてネタ勝負に挑まない方がよい。今年もそう思わされたエープリルフールだった。