ソニーの共同創業者である盛田昭夫は、会長時代、ウォークマンの開発に関して部下から大きな反発を受けました。録音機能のない再生専用器など売れるはずがない、と大反対されたのです。

 しかし、盛田は挫けることなく、

「3万台売れなければ、私は会長を辞めてもいい。会長命令だ。やれ」
「できるかできないかなんて聞いていない。できるまで知恵を絞れ」

 と強烈なリーダーシップで周囲を巻き込み、進んでいったのです。

 その結果、ウォークマンは爆発的なヒット商品となりました。

 リーダーは、やると決めたことに対しては、「これは必ずできる」と確固たる信念を持つべきです。そして、誰よりも先に一歩踏み出す勇気を持たなくてはなりません。

 つまり、ときには、部下の「できない」という反対意見に耳を貸さない覚悟を持ってほしいのです。

 簡潔・明快な目標を設定し、問答無用で「やる」と決めてしまうと、「できない」と考えていた部下もやり遂げることができます。

 リーダーが躊躇してはいけません。

 部下は上司が躊躇している姿を見ると、確信を持てなくなり、前進するエネルギーを失ってしまうのです。

 いまある音楽プレイヤーは、結局はウォークマンの仕組みがベースとなっています。ウォークマンがなければ、iPodもヒットすることはなかったはずです。

 大きなことを成し遂げるには、強いリーダーシップを発揮し、部下の意見を聞き入れない覚悟も必要です。

 部下が「達成できる」と確信するまで、何度も自分の信念をいい続けましょう。