大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
リトアニアってどんな国?
リトアニアはヨーロッパの北東部に位置する国で、バルト海に面しています。北はラトビア、東はベラルーシ、南はポーランドとロシア飛地のカリーニングラードと国境を接しています。
国土は全体的に平坦で、森林が約3分の1を占め、数多くの湖と沼、湿原があり、バルト海沿岸のクルシュー砂州は世界遺産です。
主要産業は石油精製、食料・飲料生産、家具製造業などで、古くからこはくの産地としても知られ、アクセサリーなどに加工されています。
リトアニアは、エストニアやラトビアと共に、1940年以降ソ連に併合されていました。1990年の独立回復宣言後、1992年にIMF、2001年にWTOに加盟しました。さらに2004年にはNATOとEUに加盟しています。
エネルギー供給の8割をロシアに依存していましたが、2020年には液化天然ガスの約50%をノルウェー、37%をアメリカから輸入するなど、ロシア依存の貿易体質からの転換が進められています。
ユダヤ人の亡命を手助けした杉原千畝
第二次世界大戦中、当時外交官として赴任していた杉原千畝は、国外へ逃れるためにカナウスの日本領事館に殺到した6500人ものユダヤ人にビザを発給して命を救いました。
杉原の功績を讃え、首都ビリニュスに「スギハラ通り」と名づけられた通りがあり、日本領事館のあったカウナスには、杉原記念館があります。
ビリニュスの旧市街の歴史地区は古くからの建造物や街並みが残り、世界文化遺産に登録されています。
リトアニア共和国
面積:6.5万㎢ 首都:ビリニュス
人口:271.2万 通貨:ユーロ
言語:リトアニア語(公用語)、ロシア語、ポーランド語
宗教:カトリック77.2%
隣接:ラトビア、ベラルーシ、ポーランド、ロシア
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)