ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

バルカン半島の国々バルカン半島の国々

クロアチアってどんな国?

 クロアチアはバルカン半島北西部に位置し、北はスロベニアハンガリー、東はセルビア、南はボスニア・ヘルツェゴビナと国境を接しています。

 国土の南西部はアドリア海に面して美しい海岸が広がり、北部には多くの温泉がある自然豊かな国です。

 13~16世紀に海上交易都市として栄えたドブロブニク旧市街は、観光客に人気があります。アドリア海に面して、オレンジ色の瓦屋根の街並みが広がる景色がとても美しく、「アドリア海の真珠」と呼ばれます。アドリア海に浮かぶ細長いフバル島は、ヨーロッパ屈指のリゾート地です。

ドブロブニク Photo: Adobe Stockドブロブニク Photo: Adobe Stock

内戦の歴史

 1991年にユーゴスラビア社会主義連邦共和国から独立を宣言しましたが、連邦軍はクロアチアに本格介入し、内戦に突入しました。

 1992年に国連加盟を果たし、1995年にセルビア人勢力と和平協定を調印しました。1991~95年の民族紛争の結果、国内の民族構成が大きく変化し、クロアチア人は75%から90%に、セルビア人は12%から4.5%となりました。2009年NATOに、2013年にはEUに加盟しています。

バルカン半島 分離独立の歴史バルカン半島 分離独立の歴史

 クロアチアでは、小麦やとうもろこし、オリーブなどが栽培され、造船業やワインづくりも盛んです。また、日本の対クロアチア貿易の特色として、輸入の40.6%(2020年)がアドリア海で養殖されたマグロです。

クロアチア共和国

面積:5.7万㎢ 首都:ザグレブ
人口:420.9万 通貨:クーナ
言語:クロアチア語(公用語)、セルビア語、イタリア語など
宗教:キリスト教86.3%
隣接:スロベニアハンガリー、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIAのThe World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)