部下思いなだけでは
信頼されない
新年度が始まって1カ月がたちました。この春からリーダーになった人は、会社の期待に応える結果を早く出したいと願うとともに、自身も部下から慕われる上司になりたいと思っていることでしょう。
小宮コンサルタンツ代表
完璧な上司などどこにもいません。ただ、自身のリーダーとしての「理想像」を持ち、それを常に意識することです。「散歩のついでに富士山に登った人はいない」ので、自分が向かうべき方向をきちんと意識することが大切です。
部下から慕われる上司の条件は、二つあります。
第1に実力があること。部下に優しいと評判の上司でも、仕事で結果を出せなければ、軽く見られてしまいます。会社は仕事をしに来るところ。もっと言えば、会社は、仕事をして、パフォーマンスを上げて、組織の成長に貢献するために来るところです。
そのためには、チームとしてパフォーマンスを上げることが大切なので、「部下の長所を生かす」ことができるかどうかがポイントです。松下幸之助さんは、部下を見るときに「長所7割、短所3割」で見たと言われています。各人の長所をうまく使えば、パフォーマンスが上がるのです。
部下の長所を生かすには、その長所を見いださなければなりません。それができる人かどうかの見分け方は「部下を心からほめることができる」かどうかだと私は思っています。良いところを見つけ出し、ほめられる人が、長所を生かす人です。
ただし、ほめるとおだてるは違うので、良いところは良い、ダメなところはダメときちんと言えることも大切です。