CNN+よりも、HBO MaxとDiscovery+に全集中したかった
そもそもCNN+の構想は、CNNの前社長ジェフ・ザッカー氏の発案によるものなので、合併統合後に新たな経営陣が戦略を見直すことは予想できたことではあった。結果は見直しどころか、切り捨てることになったわけだが、今回の判断はいかに経営陣がHBO MaxとDiscovery+の統合サービスに全集中したいのか、それを示してもいる。
4月5日にフランス・カンヌで開催された業界イベントMIPTVの基調講演に登壇したHBO Max インターナショナル責任者であるヨハネス・ラルヒャー氏は、ワーナーメディアとディスカバリーの合併による影響について「ワーナーメディアとディスカバリーと共通のビジョンを持っている」とし、それ以上は詳しく発言しなかったが、今後の計画に関しては強気だった。「世界の3大プレイヤーの1つになることを目標にする」と話し、HBO Maxが2026年までに190カ国で展開する計画であることを明かした。
これを実現するためには、すでに市場を席巻しているDisney+やNetflixと本気で戦わざるを得ないことは容易に想像できる。その中で、CNNの利用価値はCNN+では発揮しにくいというのが親会社の本音だったのだろう。