
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、2025年最新版として取りまとめた結果を実名で公開。特集『融資先企業を「倒産」させた金融機関ランキング2025』の#18では、福井県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
福井県で融資先企業を最も倒産させてきた銀行は?
福井銀行、福邦銀行が倒産させた企業は何社?
福井県で最大の地方銀行、福井銀行が、地元地銀同士の合併という大胆な決断に踏み切る。同じ県内に本店を構える福邦銀行と合併し、2026年5月に「福井銀行」への行名一本化を完了させる方針だ。地銀再編が全国で加速する中、同一県内で「福邦の名を消す」という選択は異例である。
背景にあるのは、合併の即効性とコストの合理性だ。福井銀行の長谷川英一頭取は「行名変更に数十億円を費やすくらいなら、福邦行員の処遇改善に使うべきだ」と明言する。名称のプライドより職員の待遇、統合の理想論より実利を優先した(詳細は『福井銀行が「福邦銀行消滅」を決めた理由が明らかに!長谷川頭取が明かす地銀再編と行名一本化の合理性』参照)。
地銀の経営判断は、地域企業の生死を左右する。企業を成長させて生かすのも銀行、危機に陥った際に命運を握るのも銀行だからだ。特にメインバンクが「支えるか、見放すか」は、倒産か再生かの分水嶺となる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
24年度の全国の企業倒産件数は、11年ぶりに1万件を超えた。今後も倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が、厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか――。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地銀、第二地銀、信用金庫に信用組合――。全国の金融機関が直近の2年間で、どれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、25年最新版として取りまとめた「融資先企業を『倒産』させた金融機関ランキング」を実名で公開する。
今回は、福井県の金融機関を取り上げる。福井銀行や福邦銀行のほか、福井信用金庫などの信金も名を連ねた。
ちなみに「金融機関が倒産させた企業数の多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融業態の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、50本以上の記事として配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の福井県の結果を確認していこう。