人々は、スマートフォンで配車アプリを開く前に迷うようになっている。配車サービスは消え去りはしない。だが、コロナ禍で落ち込んだ配車アプリ利用者数の回復ペースが遅いことは、この業態がかつて期待されたほど普及しない可能性を示す最新の兆候だ。世界的な普及という夢が尻すぼみになり、投資家が収益を注視する中、配車にかかるコストは、潜在的な利用客の一部をもっと安価な交通手段へ押しやっている可能性がある。配車サービス最大手の米ウーバー・テクノロジーズの社名「ウーバー」は、「配車アプリを使う」という意味の動詞としても使われるようになっているが、同社は最近ではその配車サービス以外に手を広げている。2022年の投資家説明会の内容によれば、ウーバーは72カ国で展開。食品配達の「ウーバーイーツ」事業を加え、その後、配達事業を日用品・アルコール・おむつなどにも拡大した。現在は、タクシーとの提携や旅行業などにも進出。近々、貸し切りパーティーバスの配車サービスも可能になるのではないか。