半導体製品大手ブロードコムは、お金を使いたくてうずうずしていたようだ。しかも、大金をだ。合併・買収(M&A)に積極的な同社が、ソフトウエア市場に最初に狙いを定めたのは2018年。CAテクノロジーズを189億ドル(当時のレートで約2兆1200億円)という破格の金額で買収した。しかし、その成長戦略は、ソフトウエア会社のバリュエーション高騰によって、一段と高くつくことになった。S&P500ソフトウエア・サービス株指数は、CA買収時から同指数がピークをつける昨年終盤までに120%上昇し、同期間のS&P500種指数上昇率の2倍近くとなった。同社は昨年、株式非公開のソフトウエア会社SASインスティテュートに買収を仕掛けたが、待遇に寛容な社風が失われることを恐れたSAS社員の反発に遭い、交渉は破談に終わった。
VMウェア買収、試されるブロードコムの成長戦略
ソフトウエア会社の高コスト体質は営業利益率を重視する方針と相いれず
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