虐待,糖尿病写真はイメージです Photo:PIXTA

 子どものころの被虐体験と、成人後の高コレステロール血症や2型糖尿病の発症リスクとの関連を示した論文が4月27日、「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に掲載された。筆頭著者である米エモリー大学のLiliana Aguayo氏は、「われわれの研究結果は子ども時代の被虐体験が、成人後の疾患リスクに影響を及ぼす可能性を示しており、その影響は性別や人種により異なるようだ」と述べている。

 Aguayo氏らは、冠動脈疾患リスク因子に関する長期コホート研究である「CARDIA研究」のデータをこの研究に用いた。CARDIA研究では、1985~1986年に米国内4都市で登録された5,115人(年齢18~30歳、平均25歳)を2015~2016年まで追跡。30年間にわたり数年おきに心血管疾患リスクを評価した。また、研究参加者が33~45歳の時点で、子どものころの被虐体験(身体的または精神的な虐待)の有無、および養育環境(周囲の大人から愛情を受けていたか、家庭内の秩序が保たれていたか)に関する質問を行った。