JR各社と大手私鉄が決算を発表した。前期は多くの企業で業績が改善した。今回の決算で見えた鉄道各社の課題と、今年度の注目ポイントとは Photo:PIXTA
JR各社と大手私鉄15社は、コロナ以降2度目の決算となる2022年3月期決算を発表した。JRと大手私鉄全社が最終赤字に沈んだ2020年度とは異なり、黒字に転換した事業者も多く、2期連続最終赤字となった事業者も赤字幅は大幅に縮小した。今回の決算で見えた鉄道各社の課題と、今年度の注目ポイントとは。（鉄道ジャーナリスト 枝久保達也）
JR本州3社の
最終赤字額は大幅改善
ワクチン接種の拡大や経口治療薬の開発・普及などコロナ対策が進展し、更なる変異株の出現を抑えながら、社会経済活動の制限が段階的に緩和されることが前提ではあるが、アフターコロナの姿がおぼろげながら見えるようになってきた印象だ。
2020年度にJR東日本、JR西日本、JR東海の本州3社は、合計で1兆円を超える最終赤字を計上したが、2021年度はJR東日本が約950億円、JR西日本が約1130億円、JR東海が約520億円、合計約2600億円の最終赤字まで改善した。
