誰でもできることを、誰もできないくらいやる
河田:そうですね。ほんとうにタイミングと運がよかった。
継続できたのは、アメリカ人コーチとの差別化ができたことです。
私が昔、日本でシーガルズというチームで働いていたとき、トレーナーの吉永さんに言われて、今も大切にしている言葉があります。
それが、「誰でもできることを、誰もできないくらいやる」。
また、アメリカ人は仕事の優先順位をつけるのがうまいので、優先順位の高いことからやります。
だから、彼らが捨てるような仕事を見つけ、自分なりに工夫してやっていました。
自分しかわからない仕事や自分にしかできない仕事をつくるのが大切です。
当時、私はビザの都合で、シーズン中に日本へ帰らなければいけないときがありました。
私はそれを逆にアドバンテージにしようと思い、シーズン中に自分にしかわからない仕事をいくつかつくっておきました。
それで大した引継ぎをせずに、自分だけが知っているフォルダに隠すなど(笑)。
その結果、案の定、私が日本に帰ったときに、ものすごい数の電話やメールが飛んできましたね。
少しずるい部分もありますが、この日本への帰国を一つの戦略としていたのです。
星:いなきゃダメな存在と認知させる戦略、お見事ですね。とても、勉強になります。
やはり、まずは輪の中に入っていって、自分しかできないことを見つける。
それで自分がいなくなったときに、大事な存在とわかってもらい、チームの一員としてより意識してもらうということなんですね。