日本のホテル業界の雄である星野リゾートは国内で開業ラッシュを仕掛けるのと並行し、米国本土進出を計画。これまでは漠然とした夢で語られてきたが、実は出店候補地を三つに絞る段階まで進んでいる。特集『ホテルの新・覇者』(全18回)の#8では、星野佳路代表が今後のホテル経営における勝負の分かれ目、そして北米進出計画の全貌を赤裸々に明かした。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
外資系が集客力が高いとは
思っていない
――マリオットやヒルトン、IHG、ハイアットなど外資系大手ホテルチェーンは巨大な会員組織を持っています。日本のホテルオーナーが彼らの集客力に期待して運営を委託するようになり、外資系大手は日本市場で勢力を強めています。ライバルとして脅威ですか。
全然気にしていない。外資系の運営会社が集客力が高いとは思っていません。うちの施設が負けている感覚はない。
外資系大手運営会社が運営しているホテルであっても、ブッキングドットコムやエクスペディア、一休や楽天トラベル、じゃらんなど、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)中心の集客だったりする。彼らの力を使ったダイレクトブッキング(直予約)が少ないんです。
――なぜ彼らの送客ネットワークが力を発揮できていないんですか。