ホテルの新・覇者#番外編Photo:PIXTA

ホテル業界は活況を取り戻し始めた。一方で新型コロナウイルスの感染拡大が拍車を掛けた人手不足問題は、深刻度を増すばかり。特集『ホテルの新・覇者』の番外編として、ホテル人事担当者による覆面座談会の後編をお届けする(前編はこちら〈https://diamond.jp/articles/-/305775〉から)。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

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2023年春卒の内定者諸君
「本当に入社してくれる?」

――2023年春卒の新卒採用状況はどうなっていますか。ホテル業界志望学生からは「例年より複数社から、しかも早いタイミングで内定が出ている」との声が聞こえてきます。

Bさん(外資系大手ホテル勤務) 内定を出したはいいけれど、同業他社も同じ学生に内定を出しているでしょ。だから今まで以上に本当に入社してくれるかが読めません。去年は新卒採用する企業自体が業界に少なかったので、応募をかければあまり人数を採る苦労はなかったんですが。

Cさん(内資系大手ホテル勤務) 怖いなあ。うちは新規ホテルの開業を控えている。人が採れない状況は本当に怖いです。

Bさん 一方でコロナ禍の推移が読めず、下手に雇う人を増やすのも怖い。まあ欲しい人数をフルに雇えるほど、ホテル業界は人気ないんですけどね。コロナ禍で不安定な業界っていうイメージがついちゃったから。

Cさん 航空業界はあれだけ沈んでも、CA(キャビンアテンダント)になりたい方ってまだまだいっぱいいるじゃないですか。この違いは何なんでしょう。

Bさん 交通インフラと違って、極論を言えばホテルがなくても人々は生活していける。

Aさん(外資系大手ホテル勤務) 嗜好品みたいなところがある。就職先として安定を感じづらいのでしょう。

――人手不足への窮余の策として、ホテルの間で互いの労働力をシェアする動きが出ています。

Cさん 沖縄のホテルから「社外出向を出しませんか?」って話が会社に結構来ます。