2025年開催の日本国際博覧会(大阪・関西万博)を当て込み、大阪でホテル開発が過熱している。キタではオリックスが外資系ラグジュアリーホテルを誘致し、ミナミではアパグループがタワーホテルを開発。さらに“伏兵”がキタとミナミに攻め入る。特集『ホテルの新・覇者』(全18回)の#12では、大阪の中心地での最新ホテル勢力図をレポートする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
キタでヒルトン最上級ブランド
大阪でホテル開業ラッシュ
関西の中心地、大阪市の繁華街である梅田駅周辺(キタ)で今、三菱地所を代表企業としたJV(共同企業体)9社が進める大規模再開発「うめきた2期地区開発プロジェクト」が進んでいる。
ここに、米ヒルトンの最上級ブランドホテル「ウォルドーフ・アストリア」が初めて関西進出する。2025年度上期に開業する予定で、大阪の新たなランドマークホテルとなりそうだ。同じくヒルトンのライフスタイルブランドホテル「キャノピーbyヒルトン」も日本初進出。こちらは24年度上期の開業を予定する。
これらのホテルを誘致した立役者は、JVのうちホテル事業の幹事社となったオリックス不動産である。同社関係者によれば「大阪には外国人富裕層がたくさん来るのに、その受け皿となるラグジュアリーホテルよりさらに上のスーパー・ラグジュアリーホテルがなかった」のが決め手となったようだ。
このプロジェクトでは、他に阪急阪神ホテルズが高級ホテルの開業を予定しており、ホテルが集中するエリアとなる。
かつてビジネスホテルが乱立した大阪でホテルバブルが再燃している。開業ラッシュを迎える引き金となったのは、25年開催の日本国際博覧会(大阪・関西万博)。群雄割拠の陣取り合戦が巻き起こるのは、キタに限った話ではない。
次ページでは、ホテル開発マップを掲載するとともに、ミナミにタワーホテルを開発するアパグループと、キタとミナミ(難波駅周辺)の動向をうかがう“伏兵”の動きに迫る。