そして、昨今、中高年の自殺が深刻な問題になっているように、孤独は年齢や性別関係なく、誰にでも起こり得ることだ。

「社会全体が『孤独を感じるのは特別なことではない』と理解した上で、もしも近くにいる誰かが助けを求めてきたら、自分のできる範囲で相手の言葉に耳を傾けてほしいです。口で話すのが恥ずかしければ、手紙やメールでもいいし、無理なアドバイスをする必要もありません。誰かに話を受け止めてもらえた安心感は、孤独を乗り越える原動力になります」

 自己肯定感が低く、他人から必要とされていないと感じて孤独感を抱えるケースは少なくない。そのため、話を聞く過程のなかで、「あなたの話を受け止めている」という肯定感を与えることが重要になのだ。

 最後に大空氏に、孤独を抱える人へのメッセージを聞いた。

「社会は人が支え合って成立するのであり、誰にも必要とされていない人間など存在しません。立派な夢を持つ必要なんてない。毎日生きていることが、誰かを支えているという側面もあることをぜひ知ってください」

 自分は誰かを支え、自分も誰かに支えられている。コロナ禍で人との関わりが減った今こそ、その大切さを改めて考えたい。