ダイヤモンド編集部の調査で、85歳以上の社外取締役が54人もいることが分かった。最高齢はなんと101歳だ。特集『社外取バブル2024最新版「10590人」の全序列』(全14回)の最終回では、在任期間の長さと併せて高年齢の社外取200人を紹介する。在任期間が15年を超える社外取は23人。日本銀行や資生堂など名門出身の大物が上位に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
超高齢!85歳以上の社外取は54人
15年以上の在任は23人
取締役の年齢が、従業員らと大きく乖離した会社は、権威主義的な“長老支配”がはびこる恐れがある。人事の滞留を招き、組織として中間層が育たない弊害も起きやすい。その危険性の高い企業はどこか――。
経営者の年齢に着目し、企業の現場や幹部の平均年齢と大きく乖離していないかどうかをチェックしたのが、昨年3月の『社員は若いのに社長は超高齢「長老支配倍率」ランキング』だった。
今回の「高齢」社外取ランキング2024も、問題意識は同じ点にある。ダイヤモンド編集部の調査で、85歳以上の社外取が54人もいることが分かった。
そもそも社外取は、社外の客観的な目で企業経営を監督するという役目がある。超高齢の社外取たちは、本当に株主の利益を重視する形で、適切に経営を監督できているのか。それとも、権力者である会長や社長の、単なる“お友達人事”にすぎないのではないか。
株主総会において、こういった観点から超高齢社外取を厳しくチェックしていくことは、ガバナンスを利かせる上でも重要なことだろう。
ちなみに、本記事では在任期間の長さも併せて調べた。ランキングで取り上げる社外取200人のうち、15年以上も同じ会社の社外取を務めていた人物は23人いた。最長は40年を超えていた。
こういった社外取たちは一体、どんな企業でポストを確保し、何年くらい務めて幾らくらい報酬をもらっているのか。
ランキングでは、日本銀行や資生堂など名門出身の大物が上位に入った。中には出身母体の経営を傾けた“戦犯”とも呼べる人物が、財閥系企業の社外取ポストをちゃっかり確保しているケースもあった。
それでは早速、次ページで詳細を見ていこう。