KDDI大規模障害で考える、もしもに備えたコスト別「鉄板対策」Photo:Diamond

7月2日未明に発生したKDDIの大規模な通信障害。完全復旧には3日半ほどの時間を要し、4000万近い回線に影響が及んだ。日頃使っているデータ通信や通話が突然できなくなると、日常生活には大きな支障が出る。こうした大規模障害に備えて、ユーザーはどのような対策を取ることができるのだろうか。(ITジャーナリスト 石川 温)

KDDIで大規模な通信障害
21年にはドコモ、18年にはソフトバンクも

 KDDIは、7月2日未明から大規模な通信障害を発生させた。同社が完全復旧を確認したのは、5日15時36分のことだった。その間、データ通信や音声通話が行えなくなるなど、4000万近い回線に影響があった。

 原因は設備の切り替え作業時に、15分間、音声が流れないという状況に陥り、その際、流れなかったデータが一気に輻輳(ふくそう)、道路でいうところの大渋滞を起こしてしまったことだ。

ユーザーからの発信を50%、規制したものの状況は改善しなかった。4日になって、設備から大量の信号が発生していることを確認。その設備をネットワークから切り離すことで、渋滞状態が解消され、5日に完全復旧となった。
 
 大規模な通信障害は、2021年10月にNTTドコモ、2018年にはソフトバンクも起こしている。

 5年で大手3キャリアが起こしていると考えると、結構、頻繁に発生している印象だ。これから5G時代が本格化することで、ネットワーク設備の拡張工事なども増えてくることが予想される。今後も、こうした大規模通信障害が発生することは、どのキャリアでも十分に考えられるだろう。

 きたる大規模通信障害に向けて、われわれユーザーができる対策はあるのだろうか。