どれだけ水分を取ればいいのか?
効率的な摂取に意外なアレがおすすめ

 脱水や熱中症を回避するため、厚労省は、1日に1.2リットルの水分摂取を推奨している。ただ、汗をかくような行動をとるなら、もうちょっと多めに1.5~2リットルか、それ以上は必要だ。

 家にいると水分を取るのを忘れるという人もいるが、意識的に取るようにしたい。

 ポイントは、「喉が渇く前に、ちょっとずつ、こまめに」とること。喉が渇いていない状況で一気にコップ何杯も飲んでも、おしっこが増えるだけだ。

 特に高齢者は、脱水を起こしやすい。筋肉が落ちて体脂肪率が増え、体内の水分量も減っている上に、喉が渇く感覚も衰えている。お手洗いが近くなるからと、水分を控えるのは絶対NGだ。

 それでも「水ばかり飲みづらい」という人もいるだろう。そんな人こそ、汁気の多い献立を意識していただきたい。

 実は、意外と認識されていないのが、「食事からの水分摂取」の重要性だ。

 人は、1日に1リットルもの水分を食事から取り入れている。食べ物に含まれる水分はゆっくり吸収され、血中にちょっとずつゆっくり入っていくので、結局は効率的な水分補給となる。

 オススメは、ご飯の朝食をしっかり取ることだ。普通に炊いた米飯は、実は水分量が6割超に上る。味噌汁とセットだと、塩分と水分が適度に取れる。野菜やタンパク質のおかずをとることで、さまざまなミネラル(電解質)も補給できてしまう。

 食欲があまりなければ、水分を多く含んでいるそうめんなどの麺類を。パン類のときは、必ず同時にノンカフェインのお茶などを飲みながら食べるようにしよう。果物やヨーグルトも適度に取り入れたい。

(監修/ナビタスクリニック理事長、医師 久住英二)

久住英二
ナビタスクリニック理事長、内科医師。専門は血液専門医、旅行医学(Certificate of knowledge, the International Society of Travel Medicine)。1999年新潟大学医学部卒業。2008年立川駅ナカにナビタスクリニック立川を開設。働く人が医療を受けやすいよう、駅ナカ立地で夜9時まで診療するクリニックを川崎駅、新宿駅にも展開。渡航医学に関連して、ワクチンや感染症に詳しく、専門的な内容を分かりやすい情報にして発信することが得意。医療に関するメールマガジン MRICを発行する一般社団法人医療ガバナンス学会代表理事。