ただし特定の人にとって、牛乳にはデメリットがある。書籍『医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』で「日本人には、牛乳を飲むと下痢してしまう乳糖不耐症が多く、また大腸がんの原因になっているという説もあり、牛乳の扱いは難しいところです」と指摘されているように、牛乳を飲みたくても飲めない人がいるのだ。

 ただし乳糖不耐症だからといって、すべての乳製品を食べられないというわけではない。ヨーグルトとチーズは、乳糖不耐症の人でも食べられる可能性が高いのをご存知だろうか。

乳糖不耐症でもヨーグルトと
チーズなら食べられる可能性

 ヨーグルトは腸内細菌を整える効果を持つが、乳糖不耐症の人でも摂取できる可能性がある。

 ヨーグルトは、発酵という製造過程を要する食品だ。発酵では乳糖の一部が分解されるため、乳糖不耐症の人でも摂取できるようになる。さらにヨーグルトに含まれる乳酸菌は、乳糖の分解を助ける機能も持つ。牛乳からつくられるヨーグルトだが、乳糖不耐症の人でも食べられるのにはこういう理由があったというわけだ。

 ヨーグルト100gに含まれるタンパク質は3g〜4g。ヨーグルトは忙しいときでも食事に採り入れやすく、タンパク質もしっかりと含んでいるのだ。

 また、チーズも乳糖不耐症の人が食べられる可能性がある。チーズは、製造過程で乳糖がほとんど失われるからだ。チーズはさまざまな料理との相性がよい。サラダやサンドイッチにチーズを入れたり、肉や魚を食べるときにチーズを使用した料理を選んだりと、チーズを摂取するチャンスは沢山ある。

 ただし、全てのヨーグルトやチーズが乳糖不耐症の症状を引き起こさないわけではない。また、乳糖不耐症と牛乳アレルギーは異なる疾患である。自己診断は危険を伴うため、医療機関を受診して正しい診断を受けるよう気をつけてほしい。