ビジネスで高いパフォーマンスを上げるために必要な能力といえば、様々なスキルが挙げられるだろう。基礎的なスキルはもちろんだが、付加価値創造やイノベーションを実現する「直感力」を磨きたい人も多いはず。そんな人にお勧めしたい方法のひとつが、運動で脳を活性化すること。書籍『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(加藤俊徳著、ダイヤモンド社)を参考に、左利きと直感力の関係、運動による脳の活性化について考察していこう。(文/フリーライター 鈴木 舞)
ビジネスパーソンに
求められる直感力とは
タスクのクオリティを上げる集中力、限られた時間でタスクを仕上げる処理能力、困難に対処するストレス耐性など、パフォーマンスを上げるためのスキルは様々だ。
ビジネスの場では分析的思考やロジカルシンキングが重視されることが少なくない。ただし、イノベーションの分野やクリエイティブ思考が求められるプロジェクトでは、「直感力」が新しい価値を創造することもある。
直感力は、ハッとするようなアイデアを閃く力であったり、感覚的にスピーディな意思決定をする力であったりというイメージが強い。直感力というと生まれつきの才能や天から与えられたギフトのように感じてはいないだろうか。しかし脳を刺激することで、誰でも直感力を鍛えることができるかもしれないのだ。
書籍『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(加藤俊徳著、ダイヤモンド社)によると、左利きは直感力が高いという説がある。右利きと比較すると、左利きは右脳を刺激する頻度が高いことから、物事の認識やアウトプットにおいて直感が働きやすいからだという。しかし、直感力を磨くためには右脳の働きさえあればいいというわけではない。
そもそも人間の脳は、大脳、小脳、脳幹に大きく分類される。脳の大部分を占めているのが大脳だ。さらに大脳は前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に区別されている。大脳はまた、右脳と左脳とに分かれている。右脳は左半身の運動機能をコントロールし、左脳は右半身の運動機能をコントロールする領域だ。右脳と左脳の働きは、次のように異なるとも考えられている。