運動後の乳製品摂取で
健康効果が上昇する研究結果

 ヨーグルトやチーズなどの乳製品には、運動との組み合わせによる健康効果も期待されている。信州大学が行った、運動と乳製品摂取の相乗効果に関する報告を紹介したい。

 信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学・バイオメディカル研究所の増木静江教授(発表当時准教授)は、運動後の乳製品摂取が生活習慣病の改善に役立つことを発見した。

 研究では実験の参加者に対し、速歩と緩やかな歩行を3分ずつ交互に繰り返すウォーキング法「インターバル徒歩」を実施。インターバル徒歩の後に乳製品を摂取する群と摂取しない群とを分け、結果を比較した。

 5ヵ月間の調査実施の結果、参加者らの血圧、血糖、BMIに改善が見られた。実験結果からは、インターバル徒歩を採り入れることで炎症抑制遺伝子が活性化され、不調改善につながることが判明。

 さらに、インターバル徒歩の直後に乳製品を摂取した参加者群は、摂取しなかった群と比較して、体力向上と生活習慣病の予防効果が高まった。摂取群の方が下肢筋力の増加度が大きく、身体の炎症反応も抑制される結果となった。参加者がインターバル徒歩の後に摂取した乳製品はヨーグルトとチーズだったことからも、これらの食品が持つ健康効果の高さがうかがえる。

 筋肉量を維持・向上する基本は、筋トレとタンパク質の摂取だ。肉や魚から一度に摂取できるタンパク質量は多いが、栄養バランスのよい乳製品にも大きなメリットがある。特にヨーグルトとチーズは食習慣に採り入れやすい。自身の体調を考慮しながら、効率的にタンパク質を摂取していくことをお勧めする。

【参考書籍】

『医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』(牧田善二著、ダイヤモンド社)