インバウンド減少の影響は
色濃く残る

 祭りの状況について簡単にリポートします。宵々山の始まる金曜日の18時に四条通りが歩行者天国に変わります。この段階で四条通り付近はすでにかなりの混雑で交通規制が敷かれます。

 コロナ前の例年と比べるとかなり混雑しているようにみえて、実は比較的観覧しやすい人出でした。最大の違いは、インバウンドが復活していないことでしょう。コロナ禍以前は宿泊客の3割弱を占めていた外国人が、今年はまだそれほどいません。2022年の祇園祭は、昔ながらの日本人のお祭りのような空気の中で行われました。

 四条通から道を入ったそれぞれの町に、それぞれの町会が保存している山鉾が設営されています。それぞれの山鉾の飾り付けが終わった宵々山の夜から、薄暗がりの中、きらびやかな提灯とコンチキチンのおはやしに包まれて、京都の町はお祭りムードになります。

 今年の祇園祭は、ある意味で天候に恵まれた3日間でした。曇りがちで小雨が降る局面もありましたが、逆に言えば例年のような猛暑ではありません。日曜日の山鉾巡行も天気は晴れましたが気温はそれほど上がらず、日差しを気にせずにゆっくりと観覧できました。海の日の3連休が明けた翌日には、朝から京都の町を豪雨が襲い交通網が止まったことを考えると、間一髪でベストなタイミングでの開催だったと思います。

 宵山の土曜日の夜は前日よりもさらに大人数の観光客が四条通りを埋め尽くし、日曜午前の山鉾巡行では沿道に設置された有料の観覧席は満席売り切れとなりました。祇園祭は八坂神社のお祭りですが、日曜の夜には今度は八坂神社の神輿が四条通りを練り歩くなどこの3日間、京都の町は祭り一色でした。

 さて、ビジネスのコラムですので、祇園祭についてもビジネスの観点から解説をしてみたいと思います。