就職人気企業ランキングを見るときに注意すること
ダイヤモンド・ヒューマンリソースの“就職人気企業ランキング”をはじめ、こうしたランキングを見る際に注意したいことがある。学生への調査において、「どのような聞き方をして、どのようにランキングを決めているか」だ。
ダイヤモンド・ヒューマンリソースの場合、就職活動中の大学3年生と大学院生を対象に、11月くらいから翌年3月までに調査を実施している。質問の内容は「入社を希望する会社を挙げてください」というもので、入社を希望する1位から8位までの8社を学生が記入するかたちだ。それを、1位=5ポイント、2位=4ポイント、3位=3ポイント、4位=2ポイント、5位以下=1ポイントと、加重集計していく。
高村 この方法は、ランキングを発表し始めたときからずっと続けているもので、企業の採用担当の多くの方から「肌感覚に近いランキング」として評価をいただいています。単なる“人気投票”ではなく、各社の採用計画を学生が知ったうえで回答し、それが結果に反映されているからでしょう。直近でいえば、航空会社や旅行系の企業がコロナ禍の影響でランキングを下げました。採用自体を停止したり、採用数を絞ったりした結果です。
ただ、最新の今回(2022年ランキング)では、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、JTBが順位をやや戻しました。テーマパークを運営するオリエンタルランドも回復基調です。
また、外資系企業は、コンサル系でランキング100位以内に入る企業もありますが、世界的に有名なIT系企業でも200位以内に入るかどうか、といったところです。外資系企業は採用数が比較的少ない傾向にあり、内定を出す時期が早いために、調査時に「入社を希望する会社」の範疇に入らないこともランキング結果の一因でしょう。ベンチャー系企業も、知名度の低さなどが理由で、ランキングの上位に入ることはほとんどありません。