ただし、覚醒のスイッチがオンになるような「情報」は避けよう。例えばメールだ。「これだけ返事をしよう」と思っても、次々と返事をしたくなったり、関連する懸案を考え始めたりして、脳が活動モードになってしまう。一通のメールで気分を害し、朝まで眠れなくなってしまう可能性もあるだろう。

◇Q.「自律神経を整えるとよく眠れる」って、具体的にはどうすればいいんですか?

 自律神経は、呼吸、心拍、体温などをコントロールしており、眠りにも大きく関わっている。

「自律神経を整える」とは、2種類ある自律神経をうまく交替させることと言い換えられる。朝から昼は交感神経を優位にし、夕方から夜は副交感神経を優位にするのだ。副交感神経が優位になると、心拍数や呼吸が緩やかになったり、血管が広がって血圧が下がったりして、心身がリラックスモードになる。

 副交感神経を優位にするために一番手っ取り早いのは、目のまわりや首を温めて血管を拡張させることだ。副交感神経の束が頸部を通っているため、首を温めることで、副交感神経に影響を与えられる。

 入浴だけで寝つきにくい人は、目や耳を温める商品を活用するのもいいだろう。首に温かい蒸しタオルを10分程度当てるだけでもいい。

◆日中の生産性を上げる!「快適な目覚め」の授業
◇Q.目覚めが良くなる方法を教えてください。

 目覚めを良くするには、体温を上げるのがポイントだ。朝の飲み物は温かいものを選ぼう。アイスコーヒーではなくホットコーヒーにしたり、味噌汁をとったりするといい。

 ただし、朝の熱いシャワーや入浴は避けるべきだ。入浴直後は体温が上がるが、その後は下がっていき、覚醒スイッチがオフになって眠くなってしまう。