ここで、われわれにとって「米国株式を円で買うと、為替の変動により得するケースがある」ことをおさらいしておきます。

 たとえば、ある米国株式の株価が30ドルだとして、 1ドル=100円の円建て評価額は3000円(30ドル×100円)になります。

 その後、米国株式の株価が25ドルに下がっても、 1ドル=125円と円安に傾いた際の円建て評価額は、3125円(25ドル×125円)となり、為替差益によりプラスになります。

 先ほどのeMAXIS Slim米国株式(S&P500)も同様で、日本円で積立をしていたとしても、中身はドル建ての資産なので為替の影響を受けることになります。得することもあれば、損することもあるのです。

 現在の相場に話を戻すと、S&P500自体が下落していても、円安の影響により、円ベースで見るとそこまで下がっていません。

 円評価額で見たS&P500が、年始から5%程度しか下落していないのであれば、絶好の買い時とは言い難いでしょう。

 なので、今の時点では、筆者はまだスポット投資は行っていません。

 日本に住んでいる私たちは、投資を行う際も円評価額で見る必要があります。筆者は積立投資を淡々と続けながら、大きく下がった際にスポット投資の機会をうかがっています。

 現在のドル円相場は、急速に円安に傾きすぎている感もあるので、いずれ落ち着いて円高に戻る可能性もありますが、そのときこそ買い時のチャンスになるかもしれません。